ライスアンドカリー 幻のカリーを探して5

Curry manです。暇を見つけては書いていこうと思います。
コロンボにて、私はライスアンドカリー1で紹介したフィッシュカリーがなぜおいしくなかったのか?考えていました。エビサカで吹けば飛ぶようなお店を営んで20年強、飯を作って飯の種にしている以上、考えてしまうのです。コロンボスリランカの中心都市、その中でも中心部のフォート地区にいると、有名チェーン店の看板も目にします。
ず~とカリーを食べているとたまに浮気したくもなります。
ピザハット」「バーガーキング」「ナンドズ」の看板が目に入りました。
(う、ナンドズ・・)
ナンドズとはイギリスを中心に世界に繰り広げるバーベキューチキンをメインとするチェーン店です。私がなぜ、まだ日本に進出していないナンドズを知っているかというと、オーストラリアのマンリーという所でナンドズのグリラーをしていた時期があったのです。炭火で毎日鶏肉を焼いていました。そのころの経験や培ったメソッドが今のお店でも非常に役に立っています。例えばクリスマスの時期に作るホールチキンや現在人気上昇中のペりぺりチキンなどもナンドズで働いた経験でヒントを得ました。

ナンドズのことを思い出していたらナンドズのチキンピーターを久しぶりに食べたくなりました、ピタパンにたっぷり野菜とペりぺりチキンが入った旨いやつです。一旦ナンドズでもよいかなぁ・・でもいかんいかん、スリランカで一週間朝昼晩全食スリランカ料理を食べると決めた以上それは遂行しなければならない!

そういう雑念を振り払って私は昨日のフィッシュカリーの事を考えていました。出てきた食材がすべてまずければ、店側に問題があると結論づけられる、そうすれば簡単なのですが、気がかりなのは一つ一つの食材は旨かったのです。ダルカリー、野菜の和え物数種、そしてお魚のフライ、ご飯。ぱっと見では醤油ベースのソースで和えられたお野菜などは日本人にはなじみ深いはずなのですが、なぜか思った程食が進まない。なぜだろうか?私はコロンボ滞在の初日から頭を悩ませてしまった。こんなことはカリー旅六回目の今回が初めてでした。
インドでは出てくる食べ物すべてが美味しく感じました。ムンバイのベジタブルターリー、うますぎた外道ビリヤ二、カンダバジ。ゴアのぺリぺリチキン、バターパニールカリー、シーフドカリー、ポークヴィンダルー。マハバリープラムのスパイシーなたこ焼き、ポンディーシェリーのフィッシュコルマカリー
それらすべてインドで感じた感動がまだスリランカでは味わえていない。考えてみればそれは去年のスリランカカリー旅からずっと続いていたような気がします。去年はマービンさんのゲストハウスでマービンさんが自ら採ってきた新鮮な朝採れの魚介類で作った美味しいスリランカカリーを振舞ってもらったので、スリランカの一般人が食する食事の細やかな所まで目が行き届いていなかったのです。なんせマービンさんは元々一流のシェフだったから、旨いのは当たり前でした。採れたてのジャンボプローンとジャンボクラブのカリーとかそのままゆでるだけでも美味しい、「新鮮な素材で作るカリー」それは間違いなくスリランカカリーの醍醐味ではあります!でも今回のカリー旅はそれとはまた別のプロセスの部分に着目していたのです。

昨日の口直しと言っては難ですが、私はホテルに戻りホテルのボーイと管理人に事情を説明しました。その時の私にどうしても必要だったのは、美味しさの連鎖です。
インド、スリランカのみならずトゥクトゥクが走っている国々の食べ物には必ずと言って良い程、口の中で広がる美味しさの連鎖と言うかクラスター爆弾と言うか、そう言う物があるはずなのです。

自国の食べ物をディスられると誰でも良い気はしないだろう、失礼だと分かっていながらも、これも仕事だと割り切って思いの丈をぶちまけてみた。すると管理人とボーイから意外な言葉が返ってきました。

「正直、この界隈の個人経営のカフェやレストランでは本当に美味しい伝統的なスリランカ料理を探すのは難しいでしょう。私でも食べない。ヒルトンやシェラトンなら素晴らしい料理を味わうことができますが・・・でも伝統的なスリランカ料理とは言いがたいです。」

「伝統的なスリランカ料理?」

「はい、我々スリランカ人でも毎日カリーを食べてるわけではないですからね、ヒルトンやシェラトンではカリーの他にも西洋式のビュッフェとか中華とか、たまに日本の料理も出てきたりします。でもCurry manさんはカリー屋さんという事で伝統的なスリランカ料理のお店の方が良いですよね?」

そして管理人はノートパソコンで伝統的なスリランカ料理のお店を調べてくれた。あっけなく見つかった。滞在先の2km先にある、某五つ星ホテルのヌガガマというレストランだそうだ、私は早速トゥクトゥクを捕まえてヌガガマに行ってみました。

渋滞の中でもトゥクトゥクなら5分で着くはずが運転手が一度通り過ぎたせいで10分ぐらいかかってしまった。私のスマホのナビゲーションを使って「レストランヌガガマ」と入れたので運ちゃんはそこが「ホテル」の中にあるとは思わなかったらしい。

着いた所は映画に出てくるような五つ星ホテル、エントランスの真ん中に噴水があって、リムジンが三台程並んでいる、入り口には背の高い黒服の案内人がいた、でっかい車からは今にも映画スターが出てきそうな雰囲気だった。そこへちっさいトゥクトゥクを止めて、運ちゃんにチップを渡して私は勢いよく飛び出した。飯を食うと言う事はある種狩りですから、そりゃテンションが上がります!

黒服の案内人は丁寧にレストランまで案内してくれた。豪華なドアの向こうは外でした、薄暗い砂利の通路にライトアップされたキングココナッツや南方フルーツの木が美しく輝いでいました。ホテル内にある広々としたガーデンという感じでしょうか。きれいに整備された砂利道の先にレストランヌガガマがありました。レストランというよりおしゃれなBBQ施設という感じでした。
テーブルは外の中心エリアと茅葺屋根のエリアと別れていました、外のエリアは既にお客で埋まっていたので、私は誰もいない茅葺屋根の下に席を取りました
そこへ民族衣装をきたイケメン紳士が・・・(つづく

(写真はコロンボスリランカ料理レストランヌガガマ)
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