ライス アンド カリー 幻のカリーを探して4

Curry manです。心機一転、はてなブログにお引越ししました。アメブロでは昨日2000文字書いたはずの文章が保存されておらず、また最初から書き直しています。以前からそう言う事が2、3回あったので、今回からはてなブログさんでしばらくお世話になってみようと思います。
 
先日帰国しました。雨、雨、権藤、雨、権藤。という事で、スリランカから帰国後、富山は安定の雨でした。帰国した日の夜。真っ先に赴いたのは氷見にあるスーパー銭湯です。赤道から急に北緯37度まで登ってきたので日本は寒いです。さっそくサウナに入りました、隣にいたお爺さん達が何やらぼやいてます。TVのスポーツコーナーを見ながらぼやいてました。「今年の巨人はどうかねー?」「な~ん今年もあかんやろ」「バッターあかんし、ピッチャーもあかんもん」

ちょっとそれを聞いただけでもお爺さんたちは巨人ファンだという事が伝わってきます。否、ファンというのを通り超えて巨人の事をまるで地元のチームのように、自分の人生の一部のように気にかけているように見えます。その姿は球界を良くしようと生涯ぼやき続けたノムさんのようです。巨人は、毎年Aクラスで毎年戦力を補強している強いチームですが、ファンにしてみれば悪いところばかりが目に行くようですね。

確かに巨人ファンだった子供の頃を思い返すと、弱小だった横浜太洋でも、足のスペシャリスト屋敷が塁に出たりすると「やべーな」と思ったり、阪神のバース、掛布、岡田のクリーンナップを脅威と感じ、広島の炎のストッパー津田が出てきたりしたら、試合は「終わったな」と感じたものです。
ファンであるからこそ、チームの弱点が見えてきて相手のチームが脅威に思えたのです。

それは、まさに今回のカリー旅、私が幻のカリーを探すうえで食べてきたスリランカ料理のように。今回は、いや、毎回なのですが、スリランカでの一週間、朝、昼、晩と全部カリーを食べました。そして帰国した今でも全食カリーを食べています。長年カリー屋をやっていますが2週間連続で朝昼晩インド、スリランカカリーを食べたのは初めての経験かもしれません。
私はカリーを作ってそれを飯の種にしています。私にとってのスリランカやインドのカリーはもはや外国の物ではなく、人生の一部というか身内というか、だからその分現地の大衆食堂でカリーを食すると辛口になったりします。辛口といってもカリーの辛口ではなく厳しめな味わい方になるという意味ですね、このカリーを口コピしてそれを日本に持ち帰ってお店で提供すると果たしてお客様に喜んで貰えるのだろうか?と。
いや、これは厳しな、何かが足りない、じゃその何かを足すか、あ、スパイスのエグミが出てる、じゃそのスパイスを引くか、と。
これまでも現地の食べ物をそのまま持ってきて不評を買った事は数知れず。激甘スイーツのクラムジャムン、なんと表現してよいか分からないココナッツソーンハブティー、がんものようなワダ(まずくはないが日本のがんもの方が味も人気も上なので日本での商品化は難しい)、パクチースナック(これは旨かったけどパクチーアンチに不評)ドリアンチョコ(これも旨いんだけど・・ドリアンアンチには総スカン)
いやはや...自分の好きな物は必ずしもお客様に好評をえるとは限らないものです。

日本は地理的に見て世界の最東部、文化は西からシルクロードを通って日本に流れ着いたと言うのが通説ですね。食分化もシルクロード、インド航路を通って気候や風習や宗教、その時々に合わせて変貌を遂げ日本列島にたどり着いた事でしょう。ただそれらが日本列島にたどり着くまでに、落としてきた大切な物も必ず何かあるはずだと、私は考えました。
2015年から始めたカリー旅は言わば、それらを探しに行くと言う意味合いを込めています。そして今回は「あるカリー」を探しに..。

遡って私の少年時代、80年代中盤に差し掛かる頃、世に言うバブル景気と呼ばれる頃、高岡界隈のカリー屋さんでは、外国人がシェフとして働いていました。今では出稼ぎの外国人はごく普通に見かけますが、当時としてそれは珍しく、カリーもバーモントカレーやククレカレーのようなドロドロのカレーが一般的な頃、外国人シェフによって本格的な本場のカリーが出始めました。私はご縁があって、ナンやタンドリーチキンがまだ一般的な日本人に知られていない頃から外国人が作る本場のカリーの味に慣れ親しんで参りました。

本場のカリーはそれは、それは衝撃的で
特に「あのスリランカ人」が作るカリーを、私は好んで食べていたのです…
ただ、もう何十年も前の事なので、スリランカに行ってカリーを食べて、「これだ!」と思える物があるかどうかの保証は全くありませんでした。おぼろげに記憶の片隅に残っている物を、ワンピースづつ集めていって、本来の形に戻す、と言う中々大変な作業でした。(つづく

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